かえつ有明中・高等学校
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三島 能動的に学ぶ姿勢を持つために、大学で一番大事なのは初年度の教育です。1年次を過ぎてしまうと、「卒業するために必要なことは何だろう?」という考えに終始しがちです。ですから初年度のうちに、学生を目覚めさせることが必要だと考えています。教育の質の保証ができる学校に小畑 アクティブラーニングを実践するとき、生徒の知識量が少なくなり、大学受験は大丈夫かと心配する声もあります。そこで本校では、生徒が吸収すべき知識や学力の基準として、モデル・コア・カリキュラムを持っています。いわば教育の質の保証です。三島 その問題は大学でも同じです。教育の質を保証するためには、教員同士が授業を見学し、検討して、授業をデザインする必要があります。すると講義のレベルを一定に保つことができますし、採点もルーブリックなどを使って学生が納得できるように行います。学生がさらに深く、応用的に学ぶためにはこれが必要であると、一人ひとりのマトリックスを作り、ポートフォリオとして作っておくようなことも必要だと思うんです。そこで本学の教育革新センターでは、講義の作り方、シラバスの書き方、成績のつけかたなどのモデルを作成しています。大学では、講義に時間を取られたら研究レベルが落ちるという先生方もいます。しかしそれでは世界のトップクラスの大学にはなれません。たとえばMITのような大学は、研究も教育も両方できています。東工大も国際化して、世界のトップレベルの大学の学生同士が、自由に行き来できるようにならなければいけません。小畑 日本の大学は、まず留学生を増やす必要がありますね。海外から日本で学ぶ大学院留学生は非常に増えています。その多くは、自分がやりたい研究や、この研究室のこの先生に師事したいという観点で大学院を選んでいます。その背景には研究力の高さがあります。一方、学部の留学生数は少ないですね。日本の大学での教育の質を高め、その良さで日本が選択されるようにならないと本当の国際化ではないという気がしています。三島 本当にそうですね。大学院は教育改革を始める前から講義の英語化を進めていて、2年後には97%がオールイングリッシュになる予定です。東工大の教育改革の大きな目的はそこにあります。MITやカリフォルニア工科大学で学部を終えた学生が、東工大で修士博士を取りに来る大学になったら素晴らしいと思っています。小畑 東工大が世界大学ランキングのトップ10以内にランキングされるように期待しています。多様性は生徒・学生の創造性を刺激する小畑 三島先生の目が世界に向いたのは、やはり留学ですか?三島 そうですね。修士課程2年のとき、博士School Concept Book 2018 13

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