かえつ有明中・高等学校
13/50

小畑秀文かえつ有明中・高等学校 校長小畑 東工大は、三島先生がリーダーシップを発揮されて、大学のみならず大学院までの教育を全面的に見直して、大改革をされましたね。三島 東工大ではリベラルアーツ研究教育院を組織して改革を進めています。教育院の先生がおっしゃったことで印象的だったのは、アメリカの家庭では、よく子どもを褒めるのだそうです。スピーチをしたら「すごく上手だった」と褒める。お年寄りを助けたら褒める。そこで子どもは自信をつけることができますし、情緒を育てているというか、そのような教育が日本には足りないと思うんです。学生が発言するときも「どう言えば評価されるのか」「どんなレポートを書いたら評価されるのか」を考える傾向にありますが、大事なのはきちんと人と対話し、自分の考えを発言する力です。小畑 それはまさにアクティブラーニングですね。三島 そうですね。かえつ有明でも取り組んでおられますね。教科書を見て問題を解いて終わりではなく、知識は自分で得て、あとはディスカッションをして「どうしてこうなるのか?」と話し合うクセがつくと、子どもたちは変わっていくのではないでしょうか。小畑 中高ではまだ自分の将来進むべき専門が決まっていないので、まんべんなく広い分野を勉強しなければなりません。しかし自分の好きな教科以外の学問の重要性が認識できない場合も多いです。三島先生は専門分野以外の教科の重要性についてはどのようなお考えですか。三島 理系志望だから歴史や国語、ましてや古文なんて必要ないという考え方は違うはずです。理工系、科学技術系の大学だからこそ、リベラルアーツが必要です。重要なのは、世の中にはいろいろな仕事があって、いろいろな考え方をする人がいるというところに触れることだと思うんです。そこでリベラルアーツ研究教育院の教員たちが工夫したのは、講義を選択するときに「単位を取りやすいのは何か」ではなくて、「こんなに面白い話があるのか」と思って聴講できる体制作りでした。小畑 アクティブラーニングでは授業の進め方に工夫が必要です。ただ楽しく議論したというところで終わってしまうといけない。教師としての技量も磨かないと。三島 おっしゃる通りですね。昨年の1年生は1100人を40のグループに分けてアクティブラーニングをやりました。木曜日に大講義室で講義を受け、次の月曜日には小グループに分かれて、木曜日の講義について議論し合います。その過程にもいろいろな工夫をし、とても活発な議論が行われました。学期の後半になると、ノーベル化学賞を受賞された白川英樹さんが講義をされたのですが、質問の時間になると、うわーっと手があがって、白川先生は30〜40分演壇から降りることができないほどでした。小畑 それは素晴らしいですね。新しい時代を教育とは東京工業大学 三島学長と小畑校長が 東京農工大学で学長を務めた本校校長と、東京工業大学で教育改革を推し進める三島学長が、将来の日本の教育について熱く語ります。KOBATAKE HIDEFUMI12

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る